書きためていたものをまとめて、クリアした順に。
G線上の魔王 椿姫クリア
情にほだされて、椿姫を見捨てられませんでした。そういう意味で、もの凄く主人公に共感できたゲームだと言って過言じゃない。やっぱるーすぼーい氏のシナリオの魅力って「車輪の下~」とかでもそうだったように、“実はすげぇ”主人公の活躍だろ。加えて今回はデスノ風の推理戦とか。そういうのがおもしろかったのに、そこからどんどん離れていく椿姫ルートに入ってどうも釈然としない……しかし、これも俺の甘さが生んだ結果か…(←この辺が凄く主人公とシンクロしてる!)
とは言っても“実はすげぇ”ところが全然見れなかったわけではなく、特にそれまでの伏線からの「最後の策」には心躍りました。「切り札は最後まで取っておくもんだぜ」という決まり文句が聞こえてきそうな。なんでもっと早く使っとかなかったのかと一瞬思いましたが、よく考えたらあの策は、椿姫を完全に心から受け入れて初めて使える、というか使って意味のある策だもんな。そんなの最後に残しておいてる主人公、やっぱすげぇしそこにシビれるあこがれるゥ!
キャラについて。椿姫は主人公を本来の居場所である“すげぇ”世界から“普通”の世界に引きずり込んだので、主人公と同化してる俺は「ふん! うさんくさい庶民め!」と鼻持ちならない金持ちのごとく思ってたわけですが、メシとか甲斐甲斐しく世話してくれて、無償の愛情注いでくれて、時には甘えてきたり甘えさせてくれたり……あれ、理想の嫁じゃね? 付き合ってその日に家に行ったら親父さんがもう義父気取りとか、むしろ望むところよ!…うん、そうそう君望の遙パパみたいな。もし街で椿姫のような娘を見つけたら連絡してください、すぐに馬のお面買って弟さらいに行きますから(そっちか)
G線上の魔王 花音クリア
泣かされて、落とされて、また泣かされて。
あのねー、何度も言うけどね、スポーツ? 家族? そういうのホンット駄目だから俺。すぐ泣いちゃうの。
G線上の魔王 コンプ
「すごい」です。
「おもしろい」と思えるのが俺にとっての「良い」ゲーム。
「すごい」のは、その「おもしろい」が予想外で想像を絶するようなもの。
期待通りな「おもしろい」、いわゆる「お約束」というのはよく見られるもので、例えば純愛の末心が結ばれるとか、正義と勇気で悪を挫くとか、エロゲでも映画でも小説でもエンターテインメントなら何にでもそういった「お約束」がある。それは全然悪くないし、そもそもそれをはじめから「期待して」そのゲームなり映画なりを見る人もいるだろう。この『G線上の魔王』にももちろんそういう「お約束」があって、プレイ日記で書いてきたようにそういうシーンが楽しい。
それに加えて、この作品が持つ「お約束」以上のものは何か。抽象的になるが俺は「お約束」を期待する対象が2つ以上重なり合ってるところだと思う。別に格好いいこと書こうとしているわけではなく、プレイしていると、主人公やその他のキャラを応援する気持ち、あるいは逆に敗北を望む気持ちで熱くなる。まさに正義は勝つとか悪は滅びるとか、または悪が勝つというような「お約束」を「期待して」いる。こういった感情移入は「おもしろい」ゲームならどれでも、多かれ少なかれあると思うが、プレイヤーの視点が二転三転するこのゲームでは、その「期待」が別の対象(キャラ)に及ぶ。そしてその期待は互いに矛盾する。つまり「正義よ勝て」と熱中した次のシーンでは「悪よ勝て」と望んでいるような状態。だから手に汗握る、展開がどっちに転んでも「期待通り」と興奮すると同時に「期待を裏切られた」と落胆し、早く次の展開をと読み進める手が速くなる。本当に最後まで気の抜けないゲームでした。
こんなよくわからない感想を読んでも何も伝わらないと思うので、少しでも興味を持った人には是非プレイして、この感覚を味わってほしいと思います。泣きゲーが好きな人、俺はこのゲームで4,5回泣きましたので、一度やってみてください。萌えゲーが好きな人、公式サイトを見ての通り絵柄は非常に可愛く、どのキャラも魅力的ですので、一人でも好みのキャラがいたならプレイしてみてください。燃えゲーが好きな人、それこそがこのゲームのメインだと俺は思ってます、手に取ってみてください。
…ネタバレは極力しないつもりですが、未プレイの人には絶対見てほしくないので以下、白文字で書きます。俺自身の記録のためと、もしかしたらいるかもしれない、同じ思いを共有した人の為に書きます。
るーすぼーい氏のシナリオをプレイするのももう3度目くらい、これまでの作品の二番煎じだと侮ったところを見事に裏切られたのが、俺にとっては一番の「予想外」で衝撃でした。これまでレビューで散々書いてきた「叙述トリック」、それが今回弱くて「ああやっぱりね。るーすぼーい氏ならそう来るよね。」とわかったようなことを考えつつ少し落胆してました。それに上記の通りラスト付近の展開に「期待通り」と興奮すると同時に「期待を裏切られた」感も拭えずどうもしっくりこない感じも持っていました。そのため、スタッフロール後、他愛のない後日談が流れるべきところでの展開に、本当に度肝を抜かれたという心境です。結局は納得のいく形で終わりもしたし、さすがだなと。スタッフロールからエピローグというエロゲならではのすばらしい演出だなと思いました。
時間が経ってから見直してみると、何か熱く語っちゃってる文章というのは気恥ずかしいなw 「エロゲオタ必死だな(ワラ」とか聞こえてきそう。まあそれくらいおもしろかったんで是非やってみてください。このゲームをSランクにしてあげましょう……